PENCIL DIVERSITY ペンシルダイバーシティ経営

ママだからこそ、自分の働き方は自分で決める。

2018.09.20

ママだからこそ、自分の働き方は自分で決める。

-福岡オフィス ヒューマナライズマーケティング研究室 ユニットリーダー 樋口 優

20周年を機に、一番の財産である「ペンシルで働く人」をもう一度見つめ直す。
ペンシルは、それぞれの人材がその能力や個性を活かして生き生きと働くことができる環境整備を進め、多様で自由な発想を持って生産性を向上することで、自社の競争力強化につながる価値創造を行うため、ダイバーシティ経営を推進するプロジェクトを立ち上げました。

ペンシルでは性別に関わらず、親になってもそれぞれの働き方で長く働くことができる環境づくりを目的に、子育てを応援する制度「ペパポ(PEncil PArenting supPOrt)」の導入を予定しています。今回は、産休・育休を経てペンシルで初めて原職に復帰した「樋口優さん」にインタビューしました。
(*インタビュー内容は取材当時のものです)

樋口優

仕事復帰したのはいつですか?

2016年の9月に出産し、その半年後の2017年4月です。4月1日から3週間の慣らし保育を経て時短で仕事に復帰しました。娘はちょうど6ヶ月になっていて離乳食を開始した時期でした。

それまでは母乳中心で、入園にあわせて一日一回の離乳食とミルクに切り替えたのですが、最初は慣れない保育園生活でミルクやお茶などの水分を飲んでくれず、脱水症状を心配して4時間ほどの勤務にしてお迎えに行っていました。そこから徐々に勤務時間を延ばしていき、現在は17時くらいに退社しています。

保育園に入る際に工夫されたことはありますか?

東京ほどではないにしても福岡も待機児童の問題などがあり、なかなか希望どおりの保育園に入れないと聞いていたので、一番競争率の低い0歳児の4月入園のタイミングを狙いました。焦って復帰したわけではなく、その選択肢が最適だと思ったんです。また、自宅近くの保育園は人気が高くて入りにくいという情報もあったので、一駅隣りの保育園に申し込みました。
そのおかげか、希望した保育園に無事入れてホッとしたのを覚えています。

在宅勤務も併用しているそうですね。

はい、そうです。保育園に行くと流行りの病気をもらってくるので、子どもの体調不良のとき以外にも、通院・予防接種などで最初から短い時間の勤務しかできないとわかっているときには娘を保育園に預けて、私は在宅で勤務することがあります。
その方が通勤時間を勤務時間にあてることができるので、効率的に仕事ができるからです。自宅と会社の会議室をテレビ会議でつないで、部署のメンバーとのミーティングもたびたび行っています。途中で子どもが乱入して上司に手を振ってみたり、
勝手に寝てしまったり。無邪気な子どもの様子に打ち合わせの場も和んでいるようです。

ただ、子どもの体調不良で在宅勤務といっても、それは在宅で仕事ができるくらい症状が軽症の場合の話で、仕事をしている場合じゃないというときは有給休暇に切り替えて面倒を見ています。そのあたりは個々の判断になるので難しいところですが、上司にも信頼いただき、臨機応変に自己判断でやらせてもらっているので、その点はとても助かっています。在宅勤務のときは、チャットで今日は何時から何時まで仕事をしますとチームに申告しているのと、チーム共有のツールで業務進捗を細かく報告するようにしています。

もともと女性としての人生設計を意識していたのでしょうか。

結婚は30歳のときですが、主人とは結婚を前提にお付き合いをしていたので、いつかは出産したいというのは漠然と考えていました。実際の出産は32歳ですが、結婚もしてない28歳くらいから将来の出産を見据えた仕事の仕方をしないといけないという意識はあって、なるべくひとりで仕事を抱え込まないように心がけていました。昨年復帰したばかりなのでまだ先の話にはなりますが、将来的には2人目も欲しいと思っていて、3〜4年くらい空けようかなと考えているところです。

出産前と同じ仕事に復帰されましたね。

そうですね。でも、最初は子育てをしながら同じ仕事をするのは難しいと思っていました。私はアシスタント的な仕事にまわって、バリバリ働いている同僚のまわりで、「私、今空いているので手伝えます!」みたいな役回りを想像していたんです。
先に育休を経て在宅で仕事復帰した同期のスタッフとも、「出産後にキャリアの形が変わってしまうのは仕方ないよね」とよく話していたくらいでした。

ところが復帰してしばらくしてみると、以前と同じ仕事をしていましたね。結果的に前より忙しいかもしれません。勤務時間は短いのに、まわりの協力や社内体制の変更などのおかげで、何とかうまく仕事ができています。変わったところといえば、
以前担当していた仕事よりも今はプロジェクト全体の進行管理のような仕事の比重が増えたことでしょうか。どちらの方が良かったというのはありませんが、まだ子どもが小さいので、子ども優先の仕事の仕方だと、どのような働き方になったんだろうと考えることはありますね。

どんなときにそう思うのでしょう。

やっぱり子どもが体調不良のときです。朝、見るからにいつもの調子ではなさそうで、「これどっちかな、保育園に行っても一日持ちこたえられるかな・・」というときと、「この調子だと確実に具合が悪くなるな」というときがあります。後者の場合でも保育園に預けざるをえないときは、「午前中はどうしてもやらなければいけない仕事があるので持ちこたえて。早めに迎えに行くからね!」という思いで預けています。

また、一番辛いのは、子どもが最初から病気とわかっていて、それでも仕事に行くために病児保育に預けるときです。通常とは別の保育料が一日数千円で発生するので経済的な負担になることはもちろんですが、いつも通っている保育園ならともかく、病気のときに見知らぬ保育士ばかりの別の保育園に連れて行くわけです。

先日もインフルエンザにかかってしまい、感染予防のために不慣れな保育園の中でも一人だけ個室に隔離されたときは本当に可哀想でした。小さいうちは子どもも自分の置かれている状況をよく理解してないのですが、段々わかるようになってきて「ああ、ママはワタシを預けてお仕事に行くのね」という顔で泣かれると、辛くてこちらも泣きそうになります。
ただ、子どもなりに諦めるのか成長しているのか、それほど引きずることはないそうで、親より子どもの方がたくましいのかもしれません。

樋口優

このところ社内で出産が続いているので、復帰して働くママさんも増えますね。

そうですね。平均年齢が30代半ばなので不思議なことではないのかもしれませんが、過去に例のないくらい社内は出産ラッシュです。また、皆さんたくましくて半年を待たず早期に復帰したり、プロデューサーの方たちは復帰後も出産前のように出張に行くような仕事に早く戻りたいと考えていたりするようで、出産後はアシスタントでもいいかなと呑気に考えていた私としては正直びっくりするところもあります。

もともとの職種によるのかもしれませんが、普段最前線で働いている人たちは長くお休みをするとウェブ業界特有の変化についていけなくなる不安や焦りがあるのかもしれません。また毎日お客様と直接やり取りすることが仕事のうえでモチベーションになっていたり、それだけ自分の案件にプライドを持って仕事をしているのではないかと思います。

ママになっても何かを諦めることなく、仕事に邁進する姿勢は素晴らしいと感じています。それぞれが仕事に対して、働き方に対して、一様な考えである必要はないと思っているので、自分が望む働き方のできる会社であるといいなと考えています。

出産後の働き方に変化はありましたか?

それはもう、絶対的に「優先順位」と「効率」です。究極の効率化は「やらないこと」だと思いますが、マニュアルを作って問い合わせを減らしたり、自分でやらずにほかの人やシステムでやってもらえる仕組みを作ったり、部分的にお願いしたりしています。私の部署の場合、オペレーション業務に特化しているPIC(ペンシル・イノベーション・セントラル)にお願いしたり、時間のかかる調査部分をタスクにして分担してもらったりとか。

優先順位のつけ方としては、まず今日最低限やらないといけないものと、できればやるものとに仕分けしていきます。そして、今日やらないといけないものからやる。なぜなら、いつ保育園からお迎え要請がきて、やりかけの仕事をスパッと中断せざるを得ないことがあるかわからないからです。また、締切が決まっている仕事の場合には少し前倒しに締切を設定しておいて、たとえ前倒しで立てた締切に間に合わなかったとしても本当の締切には間に合わせるようにしています。

今、社内でもRPAなどロボット化の動きもあるので、この機会に何をロボットにしてもらうかを考えることにも積極的に取り組んでいきたいと考えています。

育児と仕事の両立のために工夫していることは?

まだ特にできてなくて今は試行錯誤の毎日です。私の場合、主人が家で仕事をしているので助けてもらっている方だと思います。大人の食事も6対4で主人が作ってくれることが多いです。保育園も基本的には毎日主人が車を出してくれて、私が一緒に乗っていって送り迎えしています。まだママと一緒でないとダメという日があるのでそういう形にしていますが、パパだけで送り迎えが完結すると、もう少し長い時間働くことができますね。

買い物は宅配を活用しています。おむつのようなかさばるものや重いもの、冷凍食品、また、子どもにアレルギーがあるのでアレルギーに配慮した食品などを頼んでいます。子連れで買い物に行くこと自体が手間も時間も体力もかかって大変なので、安全性へのこだわりが強い食材などを提供してくれるサービスはとても助かっています。また、主人はスーパーに行くのも好きなので、そこも感謝しています。そう考えると、ペンシルのパパ社員たちも、ときにはもっと早く帰って保育園のお迎えに行ったり、家事ができるようになったりすると、特に共働きの家庭は助かることでしょう。

他にも、子育て中の生活に欠かせないものとして、便利な家電も積極的に取り入れています。ロボット掃除機や自動食器洗浄機、乾燥機付きの洗濯機、掃除の要らないエアコンなどの有能な家電はフル活用しています。多少のコストはかかっても、いかに時短に貢献してくれるか、生活を便利にしてくれて子どもとの時間・自分たちの時間を少しでも確保するかは、出産後に家電を選ぶ上で大きなポイントになりました。そうやって、子どもの寝た後の時間を自分の時間にしています。特に何かをするわけではないですが、寝かしつけたままベッドでゴロゴロしたり、読書をしたり、そんなひとときが今の自分の唯一の至福の時間になっています。本当は夫婦の語らいの時間にした方がいいですよね(笑)

樋口優

最後に、今後結婚や出産を考えるスタッフへメッセージを。

私のときには育休から復帰して働くというモデルケースが少なかったので、あまり復帰後のイメージができず不安もありました。そのため、休み中に顔見せや手続き等で出社したときには、何度か上司に面談の時間をつくってもらいました。復帰後にはどんな働き方になるのか、会社には何を期待されているのか、また、自分としてはどんな働き方をしたいのかを話し合いました。

上司の方も出産後に復帰する部下を持つ経験がなく、具体的なイメージはなかったようで、私の気持ちを尊重してくれるような話し合いになり心強かったです。そのときはまだ私もよくわかっておらず、「とにかくやってみよう」というスタートになりました。

復帰後も子どもの状況が変わって勤務時間を増やしたり、やむを得ず在宅勤務をさせてもらうことになったときなど、自分からこまめに上司に相談して、働く環境を整えていったり、その時々での最良の働き方を会社と一緒になって模索していっているところです。

働く母親として少しだけ先輩になる私としては、これから出産後、復帰して活躍する女性スタッフや、男女を問わず時短で働くことを選択するスタッフが参考にできるようなモデルケールになりたいし、そのために必要な仕組みを会社と作っていきたいと考えています。ただ、私がそうであったからといって「早く復帰する」や「毎日出勤して働く」といった慣習を作りたいと思っているわけではありません。以前からペンシルがそうであったように、それぞれの家庭の事情にあわせて、個々が最もパフォーマンスを出せるような形で、自分の戻りたい時期に復帰したり、在宅勤務を選択したりと多様な働き方を選択できる会社になっていけばいいなと思っています。

この他の一人ひとりの能力を最大化し、価値創造につなげるペンシルの「ダイバーシティ経営」

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