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ママ座談会 〜仕事と家庭の両立、ホントのトコロ〜

2018.06.14

ママ座談会 〜仕事と家庭の両立、ホントのトコロ〜

ペンシルでは、性別に関わらず親になっても長く働くことができる環境づくりを目的に、子育てを応援する制度「ペパポ(PEncil PArenting supPOrt)」の導入を予定しています。

ペパポの運用開始を前に開催された座談会では、出産を間近に控えたプレママ社員と、実際に仕事と子育ての両立に奮闘する先輩ママ社員が、仕事と家庭の両立について本音を語り合いました。
(*インタビュー内容は取材当時のものです)

座談会メンバー

第1子を妊娠中のプレママ社員3名、子育て中の先輩ママ社員2名が参加しました。

座談会参加者

ママ座談会の様子

復帰を意識したのはこんなとき

佐伯
偶然にも出産予定日が近い妊婦がいるのは心強いのですが、なにせ3人とも初めてのことなので不安だらけです。特に、長期で仕事を休んだ経験がないので、一度休んでしまうと復帰できるのか正直不安です。どのタイミングで復帰を意識されたのですか?

百瀬
実は私、産休前に一度退職しているんです。当時は産休制度が整備されていなかったので、おなかが大きくなったら辞めるということを誰も疑問に思っていなかったんですね。でも当時の社長(現:取締役会長)は、「必ず戻って来い、これは退職じゃなくて産休だぞ」と何度も言ってくれました。
中園
えー!それは知らなかったです。産休の礎を築いたのは百瀬さんなんですね。

百瀬
退職してからは仕事のことはすっかり忘れて、元気な子どもを産むことだけ考えていました。産まれたら目の前のことで忙しくて、他のことは全然考えられなかったです。

樋口
私も出産直後はそんなこと考える余裕はなかったですが、復職を意識しだしたのは出産から5ヵ月くらい経ったころかな。子育てがちょっと落ち着いて心に余裕ができたからだと思いますが、早く働きたいなという気持ちになりました。

うちは9月生まれで翌年4月じゃないと保育園に入れないだろうなと思ったので、産後6ヵ月で復帰しました。焦って復帰したわけじゃなくてそうするしかないと思ったんです。

百瀬
私の場合、復帰のきっかけは、社長(現:取締役会長)から「どう?そろそろ戻れる?」といった電話をよくいただいていたことですね(笑)当初は子どもが2歳くらいになったら復帰しようかなと思っていましたが、結局1歳3ヵ月で復帰しました。

といっても、スムーズにはいきませんでしたね。仕事を辞めている状態だったので、保育園に預けられなかったんです。それで、認可保育園の一時保育に預けて空きが出るのを待っていました。しばらくは在宅勤務を認めてもらったり、雇用形態をアルバイトや業務委託などに変更してもらったり、会社には本当に柔軟に対応してもらいました。保育園に入ってからはまた正社員としてフルタイムで働きだしたんです。

樋口
私自身は半年で復帰しましたが、1年休んでいたら気が狂うんじゃないかと思いました(笑)

百瀬
分かります!子どもはかわいいけど、社会から取り残される感じがして・・・。だって子どもはしゃべらないんですよ。気がついたら今日は誰とも話してないという日があったり。子ども相手だと赤ちゃん言葉しか使わないので、仕事復帰したとき、最初は普通の日本語がしゃべれませんでした(笑)

ママ座談会の様子

ママになってはじめて気づいた

百瀬
思い返せば、出産する前は子どものいる人の気持ちが全然わかっていなかったですね。当時、東京オフィスにも子育て中の女性プロデューサーがいたのですが、頻繁に保育園に呼ばれるのを「いいよ、行っておいで」なんて言いながら、正直「また?」と思っていました。でも自分が親になって初めて、子どもってこんなに手がかかるのかと知りました。

樋口
復帰前は、復帰したらこんな働き方になるのかなというイメージを持っていましたが、現実は全く思った通りではなかったです。
降梁
漠然と大変だろうなとは思いますが、具体的になにが大変なのか想像できないです。

百瀬
一番大変だったのは、急な予定変更かな。クライアントへの月次訪問など大切な予定がある日に限って、子どもがよく熱を出しました。私の緊張が伝わるんでしょうね。

セミナーがある日は、受付、講師、営業の最低3人が必要ですが、子どもが体調を崩して私が休まないといけない日は、講師に受付も担当してもらったりしました。申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、周りにたくさんフォローしていただきました。

樋口
そんな思いをしながら働くってすごいことですよね。でも、子育ては誰かに褒められたりしませんが、仕事をしていたら誰かに「ありがとう」と言われることがあるので、私は仕事をしていた方がいいなと思っています。

佐伯
突発の予定変更があるなら、働き方や意識は変わりましたか?

百瀬
絶対にやらなきゃいけないことから先にします。今でも変わらないのですが、もし今日急に学校から呼び出しがかかったら・・・と考えて、優先順位の高い仕事からやるようになりました。

樋口
私もそうです。意識したというより、強制的に時間の使い方が上手になった気がしますね。あとは締切りを早めに設定するようになりました。今日中に絶対終わらせなきゃいけない仕事ではないなら切り捨てるし、本当は締切りまで1週間あるものでも5日くらいで設定するとか。締切りまで余裕があると思っていても、なにかあったら対応できないので。

ほかには、急に帰らなきゃいけなくなったときは、なるべく仕事を小分けにして他の人にお願いするようにしています。これはAさん、これはBさん、これはCさんにお願いします、という風に。

佐伯
周りにフォローしてもらうといっても、急にはできないですよね。普段から仕事内容や進捗など共有していないとできないと思いますが、工夫していることはありますか?

樋口
プロジェクト管理ツールを導入して、進捗が分かるようにしています。普段はチャットでのやりとりが多いのですが、それだと過去の経緯とか分からなくなってしまいがちなので、基本的にそのツールにためるようにしました。これは産休とは関係なく、誰かが突発で休んでも仕事をスムーズにまわせる体制を以前からつくりたいと思っていたこともありますね。

百瀬
急な予定変更に自分が対応することはもちろんですが、自分の力だけではどうにもならないので、予定変更にも対応できる体制づくりも大事だと思います。

樋口
あとは、会議が増えると仕事ができないので、会議を真剣にやるようになったかな。30分かけて打ち合わせしたのに、結論は次回検討となるのが嫌なんです。だから必ずその場で結論を出して、持ち帰りはしないように進めます。そのために、段取りや会議前の準備を念入りにするようになりました。あとは、むやみに会議に呼ばれないようにするとか(笑)

降梁
復帰後のイメージがわかないんですよね。今と同じ状況じゃないし、周りも変わっているだろうし・・・。

百瀬
私の場合、復帰したらオフィスが移転していました(笑)メンバーも変わっていたし、戻ってきたら別世界でしたね。

樋口
環境の変化はポジティブに捉えていいと思います。今は復帰後の想像がつかないでしょうけど、ペンシルは変化のスピードが速いし、あまり気にしなくていいと思いますよ。

百瀬
復帰時は新たな気持ちでしたね。子どもとずっと過ごす生活とは大きく変わります。復帰初日に「この1年3ヵ月でインターネットの世界は大きく変わったから勉強しといてね」と言われ、身が引き締まったのを覚えています。

降梁
確かにそうですね。自社だけでなくクライアントの状況やウェブを取り巻く環境など多くのことが変わっていると思います。ゼロではなく、1からのスタートと思えば少しは気が楽になるのかな。

ママ座談会の様子

自分の働き方は自分で決める

樋口
育休中、顔見せと手続きの関係で2回ほど会社に来ました。そのときに復帰に向けた話をしました。上司に復帰後どんな仕事をしてほしいか、自分に期待することを聞きたかったのです。部署が円滑にまわっているところに私が戻ってきて、みんなが働きにくくなったら嫌だなと思っていたんですよね。

最初は「やらなきゃいけないことがあったらやります!」みたいなスタンスだったのですが、上司は育休から復帰する部下を持つのが初めてだったので「どれくらい働けるの?」と気を遣っていただきました。

でも、私自身もよく分からなかったので具体的なことがあまり言えずにいて、「まぁ、やってみようか」という感じでスタートしました。私の場合、小さい頃から子どもを保育園に預けていたので、最初は4時間くらいの時短勤務からはじめて徐々に勤務時間を延ばしたりしています。復帰後は私からこまめに面談をお願いするようにしています。

百瀬
自分からアプローチした方がいいと思います。以前の私がそうだったように、子どものいない上司にとっては想像しにくいことも多いと思いますから。
樋口
なにか助けてほしいことがあっても周りは分かりづらいことも多いですよね。家庭事情によっても悩みが違うので、自分から言った方がいいと思います。漠然と相談しても、相談される側は答えるのが難しいと思います。だから、ある程度自分で答えを持って、できればこうしたいんですけど・・・と話をした方がいいと思いますね。

とはいえ、復帰後に周りの状況が変わっていることもあるだろうし、いきなり自分の希望を伝えるのは難しいでしょうから、気構えなくてもいいんじゃないかなと思います。2〜3年後は不確定なことが多いので、4半期ぐらいの先を考える気持ちでいればいいのではないでしょうか。慣れてきたらもう少し先を見通せるようになると思います。

ママ座談会の様子

大変なことばかりじゃない

中園
実際、仕事と家庭の両立はどうですか?

百瀬
そりゃあもう難しいですよ(笑)週末にまとめておかずを作ったり、家事もまとめてやったり。夕食のメインのおかずは帰宅後に作りますが、週の前半くらいは常備野菜でしのぎます。後半はグダグダですけどね(笑)仕事も家庭も両方とも完璧にしようと思わず、自分の家のルールをつくってしまえばいいと思います。

降梁
完璧にしようとするからきついんですね。
百瀬
うちの息子はいま10歳で、「子育てはいつが大変ですか?」とよく聞かれますが、10年間ずっと大変です(笑)大変の種類が違うだけかな。最初は子どもの夜泣きで眠れないからはじまって、歩き出したら目が離せなくなったり・・・。

保育園は朝預けて迎えに行くまで先生が面倒をみてくれるのでそんなに心配ではないですが、小学生になったら子どもがひとりで自由に過ごす時間が増えます。低学年のうちは学童にお迎えに行ったりすることもあるので保育園にやや似ています。だけど3年生くらいになるとお迎えがないから、放課後が自由時間なんです。私は息子が小学生になってから時短勤務に切り替えました。

近くに頼れる人がいない限り、親が帰ってくるまで留守番しないといけないですよね。そうすると、家の鍵を落としたとかいろんなトラブルが起こるんです。鍵を落としたけど誰にも連絡できないとか。よく次々といろんなことが起こるなという感じです。

佐伯
仕事も家庭も大変というときは爆発しませんか?

百瀬
よく爆発してますよ(笑)でも仕事をやめたいと思ったことは一度もないですね。仕事と家庭と育児が切り替わることによってリフレッシュできています。保育園に子どもを預けたら仕事の段取りを考えたり、会社を出たらお迎えに行きながら夕食のメニューを考えたりして。

樋口
私もそうです。通勤時間があることで自然と切り替わっている気がします。本を読んだり、自分の時間を持てるので、リフレッシュになっています。

降梁
近所の保育園が19時頃まで預かってくれるので、そこに入れたらフルタイムでの復帰が可能かなと思っています。周りで19時とか20時まで預けている方は実際どのくらいいらっしゃるのでしょうか?

樋口
大きければいますけど、1歳とかではあまりいないかな。保育園によると思いますが、うちの保育園は厳しくて、小さいうちはあまり長時間預けないようにという方針なんです。今は時短勤務をするしかないのでジレンマを感じることもありますが、長い目で見たらほんの少しの時間なので、あまり焦らないようにしています。

中園
少しずつイメージができてきました。ただ、まだ想像できないことも多くて、大変と言っても具体的にどのくらい大変なのか正直分からないですね。

樋口
そうですね。大変の度合いも子どもによって違うし。なにを大変と思うかも、その人次第だからしょうがないですよ。慣れていくしかない。

百瀬
でも大変なことばかりじゃないですよ。子どもはかわいいし、自分より大切なものができたと思いました。今振り返ると、子どもがおなかにいるときは結構楽しかったなと思います。産休前に東京オフィス全員でディズニーランドに行ったりしました。乗り物には乗れないけど、楽しい思い出です。不安もあると思いますが、今を楽しんでほしいです。出産後もその時々で楽しいことはあるから!ひとりで抱え込まないでくださいね。

樋口
周りの人だけでなく、便利な家電などに頼ってもいいと思います。同じように仕事と家庭を両立したい社員は今後もどんどん増えていくと思うので、みんなで情報共有しながら助け合いましょう!

降梁
自分ひとりだと調べきれない情報も入ってくるし、こうして気軽に相談できる先輩が近くにいるのは本当に心強いです。

佐伯
「大変だけどがんばる」だけではなく、「楽しむ」ことも大事ということですね。

ママ座談会の様子

さいごに

ペンシルで働く社員の5割が女性です。パパママ社員が増え、直近では出産後ほぼすべての女性社員が職場に復帰しています。会社の制度や待遇に受動的に従うのではなく、悩みながらも自分で働き方を確立しようとする姿が印象的でした。

性別に関わらず、それぞれの事情や働き方がいつまでも同じとは限りません。ペンシルは今後も、一人ひとりにあった多様な働き方を提供することで、多様な人材が活躍できる環境整備を進めて参ります。

ペンシル ダイバーシティ経営推進方針
https://www.pencil.co.jp/about/diversity/

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