2019.11.26
顧客から永続的に選ばれ続けるために、いかに愛されるコンテンツを提供できるのか。
そのために考えなければならないポイントとは何なのか。
長年に渡るパートナーシップから生まれたカゴメとペンシルの共同研究をご紹介します。
(2019年11月時点)
カゴメ株式会社(以下、カゴメ)とペンシルは、カゴメのブランドステートメントである「自然を、おいしく、楽しく。」を体現したコンテンツを多くの顧客に届け「カゴメファン」になっていただくために、オウンドメディア戦略を進めてきました。
KPIには
の2つを置き、「食育コンテンツ」「野菜の健康情報コンテンツ」「健康サービス事業コンテンツ」の追加、野菜のキュレーションサイト「VEGEDAY」の立上げ、また、2018年には野菜不足をゼロにするというコンセプトを掲げコーポレートサイトのリニューアルを行うなど、さまざまな施策を進めてきました。
▲コーポレートサイト全体の流入数と購買率
その結果、ユニークユーザー数は順調に増加し目標を達成しましたが、カゴメファンを計測するKPIとして設定した購買率は目標に届かないという状況にありました。
しかし、ここで
という疑問が浮かんできました。
▲「カゴメファン」をより正しくとらえるためのKPIアップデート
そこで、「カゴメファン」を生み、育て続けるための効果的な施策を打っていくために、KPIを購買率からNPS®とファン度(愛着度)という、よりエンゲージメントを計測するにふさわしいものにアップデートすることを提案しました。
新しくNPS®とファン度(愛着度)というKPIを提案・設定し、次に行ったことは、NPS®とファン度(愛着度)に影響を与える因子の特定です。
エンゲージメントに影響度の高い因子を特定することで、より効果的に「カゴメファン」を生み、育て続けるための施策を行うことが可能になります。
因子の特定を行うために、まずはカゴメコーポレートサイトでアンケートを実施しました。
▲ペンシルが提唱する「CEM(Customer Engagement Management)」
このアンケートでは、ペンシルが提唱する新規顧客獲得からCRMまでを一気通貫でとらえ設計する「CEM(Customer Engagement Management)」というアプローチを取り入れ、対象を「WEBサイト」だけではなく「工場見学」「カゴメ劇場」「&KAGOME(ファンサイト)」など、カゴメと顧客との接点全てとしました。
また、アンケートの設問にはNPS®とファン度(愛着度)に対する設問以外に、心理学をベースとした
の4つのカテゴリーを用意し、NPS®とファン度(愛着度)との相関関係と重回帰分析による影響値算出ができるように設計しました。
アンケート結果を4つのカテゴリーの中で、どの要素が強い相関関係を持ち、強い影響を与えるのかを詳細に分析した結果、次のような特徴がみえてきました。
▲事業・商品別の認知度と効果量
また、「飲料・食品(商品)」「事業」というカテゴリーで認知度をみた場合、飲料の認知度64.2%、また、食品の認知度35.1%に比べ、事業の認知度は14.5%と倍以上の差があり、その効果量も倍以上違うことがわかりました。
この結果から、優先的に認知度を高めるべきは「事業」であるといえます。
▲(左)NPS®と各項目の相関(右)各項目がNPS®に与える効果量
NPS®において特に相関関係が高かったものは「感情」と「印象」であり、影響が大きいものも「感情」と「印象」という結果となりました。
特徴的な要素としては
つまり、「他者への推奨」を促進するためのキーワードは「健康」「生活」であるといえます。
▲(左)ファン度(愛着度)と各項目の相関(右)各項目がファン度(愛着度)に与える効果量
NPS®と同じく、ファン度(愛着度)においても、相関関係が高かったものは「感情」と「印象」であり、影響が大きいものも「感情」「印象」という結果となりました。
特徴的な要素としては
となりました。
つまり、「ファン度(愛着度)」を高めるためのキーワードは「安さ(価格)」ではなく、「健康」「信頼」であるといえます。
研究結果から、「カゴメファン」を生み、育てていくには、商品情報の提供と合わせてカゴメが取り組む事業や健康・信頼(安心・安全)・生活に関わる情報の提供が重要であると言えます。
そこで、カゴメホームページの役割を見直し、施策第一弾としてトップページリニューアルを進行中です。
リニューアル後には再度アンケートを実施し、NPS®とファン度(愛着度)の変動を検証。
来訪されるお客様ごとに価値ある情報を届けられるよう、コンテンツ改善や新規ブランドサイトの立上げなどを行っていく予定です。
さらに、カゴメが掲げる「日本人の野菜不足をゼロにする」というミッションの実現に向け、幅広い視野での展開も考えています。
スペックだけではものが売れない時代、顧客の好きをどう作っていけるのかが、企業の競争力になっていきます。
長年に渡るパートナーシップで結ばれたカゴメとペンシルは、今の時代に求められるマーケティングを研究し、インターネットの力で世界のビジネスを革新していきます。
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