ペンシルの研究開発

衣類や趣味の消費が増加傾向?新型コロナウイルスの影響によるシニア消費動向調査・第三弾

2021.10.05

衣類や趣味の消費が増加傾向?新型コロナウイルスの影響によるシニア消費動向調査・第三弾

研究開発型ウェブコンサルティング事業を展開する株式会社ペンシル(所在地:福岡市中央区、代表取締役社長CEO:倉橋美佳、以下:ペンシル)は、2020年4月に初めて発令された緊急事態宣言から約1年半が経過したいま、高齢者の生活状況の変化や終息後の消費意向など、シニアの消費行動特性の把握を目的とした第三弾の調査について、その結果を発表しました。

ペンシルのエイジングテックサービス「SFO」とは

超高齢社会をインターネットの力で革新する。
エイジングテックで事業と雇用を創造し、日本を元気に。

超高齢社会である日本において、高齢者が働き手として関わることで、高齢者と社会のつながりを創出し、企業にとってもメリットのある新たなエイジングテックサービスを生み出すプロジェクトを推進しています。
このプロジェクトのひとつとして「シニアにとって使いやすいWEBサイトになっているか?」をペンシルのシニアスタッフが診断するSFOサービス「シニア対応サイト診断サービス」を提供しています。

背景・目的

新型コロナウイルス感染症に関し、2020年4月に初めて発令された緊急事態宣言から約1年半。2020年4月に発表した第一弾、同年5月の第二弾の調査結果に引き続き、コロナワクチン接種も進んできているいま、高齢者の生活状況はどのように変化しているのか、また、アフターコロナにおける活動や消費意向、そして、高齢者が企業に期待することなどについてアンケート形式で調査し、マーケターや企業が抑えるべきポイントを考えました。

調査結果の抜粋

設問項目

1)回答者の属性

1-1)居住地・年齢・性別
1-2)職業・年収
1-3)インターネット機器の所有状況
1-4)新型コロナワクチン接種状況

2)コロナ禍での変化

2-1)就業形態、意識・思考
2-2)行動の変化・行動の内容

3)消費・購買活動

3-1)買物頻度・購入商品
3-2)消費金額・支払い方法
3-3)ネット通販利用・主な購入商品
3-4)通販利用理由・通販サービス

4)情報収集

4-1)情報収集手段・頻度

5)アフターコロナ

5-1)活動開始時期、行動内容
5-2)旅行、訪問したい施設
5-3)通販利用、継続する習慣

6)好印象な企業

6-1)印象の良い企業、その理由

調査結果の抜粋

1)回答者の属性

1-4)コロナワクチン接種状況

1-4)コロナワクチン接種状況

  • ワクチン接種率は高いにも関わらず、接種後に安心している方は64%と少ない
  • 次々に現れる変異株やワクチン接種済の方の感染(ブレークスルー感染)のニュースによる感染不安が影響していると思われる

2)コロナ禍での変化

2-1)就業形態、意識・思考

2-1)就業形態、意識・思考

  • 前回調査との比較では、通常勤務をしている方が増えた。テレワークと時差勤務が若干減少しており、徐々にコロナ禍以前に戻りつつあるようにもみえる
  • 意識・思考の変化では、当初予想に反し、多くのシニアがワクチンの2回接種後も、かなり不安を感じていることがわかる

3)消費・購買活動

3-2)消費金額・支払い方法

3-2)消費金額・支払い方法

  • クレジットカード(37%)、電子マネー(27%)、スマホ決済(11%)の電子決済が全体の75%を占める
  • 電子決済は大きく伸びているが、シニア特有の現金支払いも根強く残っている

4)情報収集

4-1)情報収集手段・頻度

4-1)情報収集手段・頻度

  • 情報の入手先は前回調査時から大きな変化はなく、テレビニュース、ネットニュース、新聞が70%を超える。新聞の割合が多く、SNSが少ないのがシニアの特徴ともいえる
  • 前回調査時は、コロナ禍の不安からニュースをみる頻度が急増していたが、今回は「増えた」との回答が減少している。最近は、情報の収集も安定して習慣化していると予想できる

5)アフターコロナ

5-2)旅行、訪問したい施設

5-2)旅行、訪問したい施設

  • コロナ禍終息後に行きたい施設としては、圧倒的に「温泉施設」が多く、次に「劇場・コンサートホール」「美術館・博物館」など文化施設が続く
  • 行動の時期は慎重だが、アフターコロナの時期が来れば「まず温泉旅行」というのが、シニアの傾向といえる

6)好印象の企業

6-1)印象の良い企業、その理由

4-1)情報収集手段・頻度

  • コロナ禍で好印象をもった企業としては、自社の特徴を活かして医療従事者など苦労しいてる方々を直接的 に支援している企業の評価が高い

調査結果まとめ

  • シニア世代の高いワクチン接種率に反し、「安心している」と答えた方は64%にとどまっている。新たな変異株やブレークスルー感染などの報道を目にすることで、引き続き感染に対する不安を抱いていると思われる。

  • 感染対策に対する意識はとても高く、「昨年同様に注意している」、「より注意している」と答えた方は84%。外出が「増えた」と答えた方は18%、「変わらない」、「減った」と答えた方は82%で、この結果からもシニアの不安はワクチン接種では解消されていないことがわかる。

  • 買物に出かける頻度は、毎日〜3日おきが増加。購入商品は食料品や日用雑貨、医薬品が前回調査時から若干減少し、衣類や趣味に関する商品、化粧品などが増える結果となった。長引く自粛生活で購入を控えてきた商品の需要が出てきていると思われる。

  • インターネット通販を「よく利用する」と答えた方は前回調査時より11%減っているが、「全く利用しない」と答えた方も10%減少。インターネット通販の購入商品は通常の買物と同じ、食品・飲料・日用雑貨が上位を占め、若い年齢層と同様に書籍やデジタルコンテンツの購入も多い。シニアもインターネットを利用して幅広い商品を選択し購入していると考えられる。

  • コロナ禍以前の生活に戻りたいという意思はあるが、政府の終息宣言が出ること、または、まわりの行動をみることを判断基準としている方が多い。

  • 再開したいことは国内旅行が最も多い。外食や趣味の集まりなど、緊急事態宣言の影響を受けてきた項目も多く、なにげない日常の行動に戻すことを望んでいる。シニアは行動開始には慎重ではあるが消費意欲は強く、アフターコロナの需要のための準備は重要である。

  • コロナ禍で、自社の特徴を活かして社会的な支援をしている多くの企業がある中で、シニア層が最も好印象をもったケースは、政府・自治体や医療従事者などに直接的に支援している企業の対応。理由は、自社の利益ではなく社会の利益となる行動、発想の柔軟性と変化に強い印象であることなどが挙げられる。

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調査概要

調査目的
日本のシニアの消費行動特性の把握
調査対象
ペンシルのシニアモニター登録者 381名(全国の54歳〜103歳の男性197名(52%)、女性184名(48%))
回答数
188名(全国の56歳〜85歳の男性93名(49%)、女性93名(49%)、選択なし2名(2%))
調査期間
2021年9月8日~9月12日
調査方法
インターネットによるアンケート調査

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