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ユーザーアクションのパターン解析と定性評価

ホワイトペーパー

2015.02.10

ユーザーアクションのパターン解析と定性評価

売上アップのための改善には、データに基づく仮説検証実行が必要であると提唱してきました。本部門では、従来の定量的なデータだけでは測れない、ユーザーの態度変容を示す定性的な要因の分析・研究を行います。クリエイティブ改善や導線最適化の仮説の検証を従来のコンバージョン率(CVR)や直帰率などの定量データのみでなく、定性的な評価も加えることで、仮説検証プロセスの精度向上を目指します。

株式会社ペンシル ヒューマナライズマーケティング研究室 室長 松枝 周作 と Kaizen Platform, Inc. Chief Product Officer 瀧野 諭吾 様

ユーザーアクションのパターン解析と定性評価
アクションしやすいユーザー導線構築のための分析手法

2015年2月10日、「株式会社ペンシル創立20周年記念式典」第1部「イノベーションカンファレンス」にて、株式会社ペンシル ヒューマナライズマーケティング研究室 室長 松枝 周作 と Kaizen Platform, Inc. Chief Product Officer 瀧野 諭吾 様にて発表した、ユーザーアクションのパターン解析と定性評価の研究結果です。

研究の目的・仮説 スライド

研究の目的・仮説

導線改善のための新しい解析と評価手法に着目した研究成果の発表を行いました。今回の研究対象であるランディングページですが、クリエイティブや導線最適化の際の評価は、一般的にはコンバージョン率(CVR)やCPAと言った、定量指標が用いられます。しかし、私たちは視覚化・数値化されることのないユーザー心理や態度変容まで探り、評価指標とすることが重要だと考えています。「売れた」「売れなかった」という結果はもちろん大切です。しかしそれ以上に重要なことは、「なぜ買ったのか?」「なぜ直帰したのか?」のプロセスを解明し「想定した結果が出なかった理由」をノウハウとして蓄積していくことだと考えます。今回は、より深いユーザー心理を視覚化・数値化することで、これまで想像に頼っていた「なぜ?」の仮説検証プロセスの質を向上することを目標としました。

研究概要 スライド

研究概要

「改善仮説」、「改善プロセス」そして「定量・定性評価」という3つの考え方を軸に、「これまでの知見+事前分析」「改善・分析」という大きく2つのフェーズで発表をおこないました。

まず、Kaizen Platform様より、「これまでの改善事例」として「DMP連携によるクリエイティブ最適化」の事例を、ペンシルより「事前分析」として、「時間経過によるクリエイティブ反応変化の観察」、そして「改善・分析」パートでは仮説に基づいたクリエイティブ改善の実験結果を発表いたしました。

時間経過がもたらすクリエイティブ反応変化の観察

「クリエイティブは時間の経過とともに疲弊する」という仮説の元、どのタイミングで改善するのがもっとも効率的なのかを測る手法について研究しました。
通常、一定期間の検証に用いる「モチベーションマップ」を連続して見ることで、時間の推移とともにユーザーの閲覧範囲が変わる様子を観察するという試みを行いました。

流入が安定しているLPでは、40日〜50日程度で閲覧範囲の減衰が見られました。
集客の実施状況にもよりますが、改善実施のタイミングの1つの目安とすることができます。

クリエイティブ改善の必要性と時間軸で見るモチベーションマップ スライド

改善仮設プロセスとモチベーションマップによるユーザ行動観察 スライド

商品理解度の違いによるユーザー行動観察概要

改善フェーズでは、ある商品について事前に成分認知を広げ、深めることでLPに来訪した際に購入を促進させる施策を対象に検証・改善を実施しました。

前述のモチベーションマップを利用し、現状把握と課題の抽出をおこないました。

その結果、

  1. コンバージョンがないユーザーの方が、ファーストビューのキャッチコピーを多くクリック。
  2. コンバージョンがないユーザーの方が、ページ中盤〜後半のコンテンツを閲覧する割合がコンバージョンするユーザーに比べて高い
  3. 成分名の登場箇所は、万遍なくクリックされる

といったことが分かりました。

モチベーションマップのRAWデータ スライド

デザイン改善案と改善結果 スライド

仮説と改善

以上の結果から、「LPに来訪するユーザーがこの商品について理解できていない」という仮説をたて、施策状況を加味し、「ユーザーがイメージをしやすく商品理解を助けるデザインに変更する」という改善方針としました。

親しみやすさを持たせ、内容理解を補助するために、今回はイラストやキャラクターを多用しました。

ファーストビューについても、コンバージョンの有無によりユーザーの反応傾向が大きく変わっていたため、テストを実施しました。

テスト対象は「既存のデザイン」「キャラクター強化」「ハイブリッド」の3つです。
「ハイブリッド」は、ファーストビューを既存のままとし、コンテンツ内部でキャラクターを使ったデザインです。

全体で見ると、「ハイブリッド案」がコンバージョン率(CVR)比で、106%の改善率という結果になりました。

改善結果の定性評価1 スライド

定性評価1 〜クリックの比較

ファーストビューの見た目がほぼ同じ、「既存デザイン」「ハイブリッド」に比べ、「キャラクター強化」ではファーストビューのクリック反応が低下しました。

また、「既存デザイン」に比べ「ハイブリッド」の方が、コンバージョンあり・なしのユーザーのクリック反応が近くなりました。

これは、コンバージョンなしのユーザーがコンバージョンありのユーザーに転換されやすくなったと考えられます。

改善結果の定性評価1 スライド

定性評価2 〜閲覧割合

ハイブリッド案は、ページ中盤以降でコンバージョンありユーザーの閲覧割合が増加しました。

つまり、読み進めやすくなり、結果としてコンバージョンにつながったと言えるでしょう。

改善結果の定性評価2 スライド

定性評価3 〜リアルタイムユーザーモニター

ユーザーのマウスの動きを比較すると、「ハイブリッド案」でスクロールなどの操作が2つのLPにくらべスムーズになる、という結果が出ました。

これも、狙い通り理解を助けるデザインになったことで、ユーザーが躊躇わず読み進めることができていると言えます。

今回の結果をまとめますと、

  1. 商品理解を目的としたデザイン改善で、ユーザーの閲覧傾向が変化した
  2. ユーザーは、必要な情報が掲載されているだけでは読みづらいと感じており、親しみやすさ・読みやすさを求めている

というファインディングスが得られました。

ユーザーの行動をより詳細に観察することで、改善のための仮説と結果の裏付けを加えることができました。
従来の分析・評価手法に加え、より精緻な分析を行い理解を深めることが重要なのです。

効果検証 まとめ|商品理解を目的としたデザイン改善で、ユーザの閲覧傾向にも変化が。|必要な情報が記載してあるだけではなく、親しみやすさ・読みやすさにユーザは敏感に反応した。|(今回の大きなファインディングス)ユーザの行動をより詳細に観察することで、改善仮説と改善結果の裏付けに一定の効果を得られた。|今回の研究では、従来の分析・評価手法をさらに定量化することで、改善の明確化・精緻さが増しました。

今後の研究への展望|今回の研究では改善により分析〜改善は成功したと言えますが、改善後のユーザをクラスタ分析すると様々な閲覧タイプのユーザが存在していることが分かります。|減衰タイプ|網羅タイプ|早期判断タイプ|超早期判断タイプ|無反応タイプ|モチベーションや行動傾向の異なるユーザを想定した分析・評価を行っていきます。

サービスの基本となる、顧客心理の把握。だからこそ。|ユーザー心理視覚化|インターネットはそれを可能にできる世界。